平素は弊店をお引き立て賜りまして誠に有り難うございます。 急に秋の気配が深まり朝晩が冷え込むようになってまいりました。 GO TOの影響?効果?もあり、徐々に来街者が増えてきた京の街。 レンタルキモノを着せてもらった若いカップルたちも再びちらほら目にするようになりました。 秋の訪れを迎え、いよいよキモノに袖を通しやすい季節の到来到来~!! そんなこともあり和装小物の専門店として少し書かせていただこうと思います。 長文になってしまいました、覚悟してお読みくださいませ(笑) まず、キモノや帯はその高額なお値段的な要素もあり、 ご購入から5年10年、もっと先のことまでを思い描いてご購入される方が多いようでございますので、 おのずとその時の実年齢よりも地味めなキモノや帯を選ばれる傾向がございます。 弊店が扱う和装小物はそれらキモノや帯に合せてコーディネートするわけでございますが、 それらのキモノや帯だけを見てお選びになられますと、 当然のことながら往々にしてその時点でのご年齢よりも 渋く地味な小物合わせとなり、ともすればお母様の小物を 一式借りてきたような着姿になってしまうことがございます。 小物選びは、そのキモノや帯に合せることも大事ですが 同様に大切にしたいのは、実際に袖を通される今その時のその方の雰囲気に合った 小物を選別する点にございます。 不思議なものでその時々の体調によっても色の好みは変化しますし、 元気の出そうな色合いの小物を合せることによって体調も気分も好転するといった 不思議な現象もございます。 弊店の扱う腰紐や伊達締め等の<七色使い>の着付け道具を<魔除け厄除け>として お使いいただくのもその一例でございます。 決してお若い方が地味な色合いの小物を合せることが悪いとは申しませんが、 そのような方にお会いすると私的には、この方はあと5年10年と歳を重ねていかれたら いったいどこまで地味で渋い色を合わされることになってしまうのだろう・・・・ と別の意味で興味が湧いてまいります。 普段の洋服の時にはそのようなシックなコーディネートも流行のファッションとしてマッチするのでしょうが、 せめて日常ではないキモノに袖を通す時くらいは、その年齢に相応しいお色を 上手に<指し色>としてお使いいただきたいものでございます。 伊達締め 輪出し梅紅葉
また逆に最近ではお歳を重ねられた方々がターコイズブルーや深紅等を好んで合わされる傾向が増えてきております。 これはとてもいい傾向です。一昔前の60歳70歳=充分にお年寄りでしたが、 今の時代の60歳70歳の方々はまだまだ気持ちも身体もお若いです。 以前、地味めなお色の帯揚げと帯締めをお勧めした私に対して 「私まだこんなおばあちゃんと違うえ・・・」と叱られたことを思い出します。 色々と私見を書かせていただきましたが、和装小物専門店といたしましては <キモノ姿は小物選びで決まる>ということを是非とも覚えておいてほしいと思います。 外から見える部分はもちろん、隠れて見えない部分の肌着や着付け道具等の小物もとても大切でございます。 あれやこれやと悩みながら吟味して手に入れられたお品物は、 きっとその方の将来の宝物となり、見せなくてもいい部分でさえも ついつい他人さんに自慢したくなる、そんな一品となるはずでございます・・・。 弊店には、「半襟」をはじめ「帯揚」「帯締め」「肌着・襦袢」「着付道具」等々、 夫々のカテゴリーともにあれやこれやと楽しみ悩みながらお選びいただくのに充分な アイテム数を取り扱っておりますことは既にご認識いただけているかと思います。 またその約80%が弊店ゑり正独自のプロデュース商品というのが弊店の特徴でございます。 大手メーカー様が製作されたお品物は、例えば百貨店の呉服売場などに画一的に広く浅く 出回る傾向にございます。百貨店ならば何処に行っても同じ商品ラインナップとなり、 それはそれである種の安心感はありますが何一つ個性というものがございません。 私どものお店には、そのような百貨店の品揃えでは いまひとつ満足できないという目の肥えたお客様方にお買い物していただいております。 弊店が作製している小物たちは、これまでの永年の商いで代々培ってまいりましたノウハウを武器に、 また日々の商いの中でのお客様との会話にヒントを探し、生み出してきたものがほとんどでございます。 京の町で日々キモノを着て生活されておられるキモノ通の方々が 「やっぱりいいねぇ!!」とおっしゃっていただけるお品物は、 やはり同じように東京をはじめ全国のキモノ愛好家の皆様にもご満足していただけます。 弊社は京都に一店舗のみの小さな小売店舗にすぎません。 ただ先述の通り、ほとんど弊店がこだわりぬいて生み出した オリジナル企画商品で構成しており、全国探しても京都のゑり正にしかない商品が大半を占めております。 私どもの企画作製したお品物を手に入れていただく方法といたしましては、 京都の店舗にお越しいただくか、ネット通販をご利用いただくか、 現在はまだコロナの影響で自粛ムードが漂う京都展催事でお求めいただくかの3通りとなっております。
最近、お客様方からゑり正さんのお品物を〇〇近辺でで買えるお店ありませんか・・・? またキモノショップ様から、ゑり正さんの商品を取り扱わせていただけませんか・・・? とお問合せいただく機会が増えてまいりました。 これは非常に有り難いお話ですし興味深いお話しでございます。 和装小物の専門店として永年トンネルを掘り続け ある程度成熟してまいりましたので、そろそろそのようなお声にも積極的に対応していかなければと 考える今日この頃でございます。 この時代、言わば絶滅危惧種的存在と言っても過言ではない「和装小物専門店という業種」でありながら、 不器用ながらもこれからも一歩づつ努力し、皆様に喜んでいただけるお品物を プロデュースしてまいりたいと思っております。 以上、長文を読んでいただき有り難うございました。 どうぞこれからもお引き立て賜りますようお願い申し上げます。 ゑり正 九代目 店主 |