
昨年(2017年)は本当に忙しくあっという間の一年を過ごさせていただきましたことこの場を借りて御礼申し上げます。 弊店ゑり正本店は、海外の観光客でごった返す京都のど真ん中に店を構えさせていただいております。 そんな中、日本人のお客様だけをみても約2割ほどご来店数が増えたことは本当に励みになります。 私どもの店を既にご存知のお得意様に加えて、「いつもホームページを見ていて一度訪れてみたかったんです・・・」 といった初めてご来店いただく方が目に見えて増えてくれたことは本当に有り難いこととスタッフ一同喜んでおります。 私どもは<和装小物>というくくりで商いさせていただいておりますが、 お草履や、お扇子、かんざしや髪飾りなどの取り扱いはございません。 ここ京都の場合はその分野を奥深く極めておられる専門店がきちんと存在いたしますので お客様からお尋ねいただいた際にはい紙に碁盤の目を引いて簡単な地図を描いてご案内させていただいております(笑) 手狭なキモノ業界、これからも持ちつ持たれつで夫々の専門分野で潤っていけることを期待しております。 それならば私どもゑり正が得意とする分野とは、少しでも胸を張れるジャンルとは? それは、<半襟><帯揚げ><帯締め><和装肌着><着付道具>の五本柱と言えましょうか・・・。 どのカテゴリーも永年京都という土地で培ってきた専門的な知識にゑり正独自のデザインや配色を加えると同時に モノ創りに携わる様々なジャンルの優秀な職人さんの協力を得て、かなり強力なカテゴリーに育ってきたと自負しておりますが まだまだ現状には満足せずに日々この柱をもっともっと太く逞しく育てるべくコツコツと努力しているところでございます。 
熟練の職人さんがリタイヤされたとか、素材が手に入らなくなったとか これまでから次から次に何らかの壁にぶち当たってまいりました。 その壁をひとつづつ乗り越えて、乗り越えられないほどの高い壁が現れたときは逆にトンネルを掘って 次のステージに進んでまいりました。ニーズ不足と感じるアイテムは作り続けるのをやめ、弱くなってきたと感じた部分は その都度補強し、時代を先取りしすぎたとかと感じるモノは時代が追いつくのを待って発信したり・・・ ここにきてようやく商いというのは本当に楽しいものだと思えるようになってまいりました。 弊店のこれら五本柱の次に育ってきてくれているカテゴリーと言えば、<帯留め>や<紳士モノ>となりましょうか。 帯留めに関しては<京焼><ガラス><水引>に加え、昨年は<絽刺し>が仲間入りいたしました。 <絽刺し>作家さんからの一度作品を見てほしいというお声掛けから始まったご縁でございます。 全国に数ある和装小物店の中から弊店をお選びいただけたというご縁を大切にしつつ 積極的に新しいデザインを模索しているところでございます。 男性のお客様のご来店も顕著に増え、<羽織紐><時計紐><たもと落とし><黄楊根付><色足袋>など ゑり正らしいというかゑり正にしかないオリジナルアイテムを中心に品定めしていただきました。 私は常はあまり売場に居らず、男性のお客様がお越しになられた時になどに売場に出るようなスタイルを とらせていただいているのですが、昨年は結構売場に居る時間が多かったような気がしております。 お客様との会話はそれはそれは楽しい時間ですし、次にモノ創りする際の貴重なアイデアもたくさんいただけます。 
このように日々真面目に(笑)商いしてきたことが報われてきたのかどうかはわかりませんが、 昨年は三越伊勢丹様からのお声掛けもあり、昨秋の日本橋三越様、本年は銀座三越様、新宿伊勢丹様と 主に関東方面での単独催事が増える傾向にございます。 かねてからの食品と工芸品が混ざり合っての京都物産展のような華やかさはございませんが 各百貨店様の既存の呉服売り場に特設会場を設けていただくことで、しっとりと落ち着いた雰囲気のもと お客様方にはゆっくりと品定めしていただけるのではないかと夢が膨らみます。 ただこの単独催事は弊店ゑり正にご興味をお持ちいただけるお客様がどれだけ会場にお足をお運びいただけるかに かかっておりますので期待もあれど同じくらい大きな不安を抱えた催事というのが本音でございます。 二度三度と以後も恒例的に出店させていただくことになるか否かは今後の結果次第でございます・・・ 以上、昨年を振り返りつつ今一度初心に戻って、本年もコツコツ前進してまいりたいと思います。 いまや数少なくなった和装小物の専門店の一角を担う立場としてこれからも身の丈に応じた商いをさせていただく所存でございます。 ゑり正 九代目店主 浦田 充靖 |